笹洞城

室賀城とも。標高693m、比高130m。

笹洞(さぼら)城は、下室賀村の南南西の方にあり、下洞山の中腹に小平地を築き、四方を石垣で囲み、堀切を配した山城で、室賀氏の物見を置いた場所という(『長野県町村誌』)。笹洞城は室賀城のことで、山麓の室賀城は原畑城であり邸宅跡とされる(大正十一年『小県郡史』)。つまり、室賀氏の本拠・室賀城とは、根小屋の原畑城と詰めの笹洞城の総称である。城主は室賀信俊で、武田軍に降り、その後、徳川家旗本になっている(『信州の城と古戦場』)。

主郭は31m×10mで、南に1m下がって13m×7mの三角形の張り出しがある。南下8mに17m×2mの腰曲輪があり、ここに石祠がある。西から南に石積みが残り、高いものは10段ほどの平積みである。全体に、比高の少ない北側へ防御の中心を置いていることがわかり、要害城としてまとまりを見せている(『図解 山城探訪』)。

規模は大きくないが、石積みを多用した見ごたえのある山城。ここを本拠においた室賀氏と隣の小泉氏は石積みをふんだんに使った山城を築いている。村上氏系の山城にも同様な石積みの見られる城址があり、基本的には、武田氏統治時代以前に縄張りのなされた城郭であろう。また背後の堀切も大規模で推奨できる城址だが、付近は崩落がひどく、早目に訪問した方が良さそうだ。

城址へは、原田橋の下の道を北へ沢筋に詰め、東が西の尾根から訪問できる(はっきりした登山道は無い)。山麓からでも石積みが遠望でき、15分ほどで主郭。

(宮坂武男著『図解 山城探訪』掲載の縄張図)

 

(【左写真】主郭。室賀集落を見渡せる。【右写真】主郭の虎口。はっきりした一段低い平場がある。)

 

(見事な石積み跡。しかし崩れ去るのは時間の問題かも知れない。)

 

(【左写真】やや降ったところにある二の郭。【右写真】主郭背後の大堀切。今でも登るのは困難。)

 

(【左写真】大堀切の先にも小郭と堀切がある。【右写真】搦め手から大堀切越しに主郭を見る。)

(登山道から見た城址。周囲は崩落しているが、石積みが確認できる。)

(城址遠望)

(登山経路図・国土地理院発行の2万5千分1地形図

 

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