伊奈城

伊奈城(東京都あきる野市伊奈)は、昭和五十四年春、中田正光氏によって確認された城砦である。したがって、史料は皆無であり、城主など一切の歴史も不明である(『多摩丘陵の古城址』)。

当地の歴史・地理からして後北条氏の城郭であり、戦国時代、北条氏照によって支配を受けた時代に築城されたものと推察される。甲斐武田氏に対する城郭として永禄十年(1567)頃に始まり、天正十八年(1590)の後北条氏滅亡まで存続したが、そのまま廃城になったと考えられ、秋川渓谷の出口を封鎖するだけの目的だったとされる(『多摩丘陵の古城址』)。

城址は、北郷神社になっている。境内の主郭と思われる最高地は、郭となっており、その下には帯状の平場も見られる。また、背後の尾根に堀切は無いものの、裏手に根小屋とも思える広い平地がある。『多摩丘陵の古城址』によれば竪堀が残っていたとされるが、現在は明瞭でない。

いずれにしても、このような地形はどこにでもあり、中世城郭の跡と断言するには躊躇せざるを得ない。

(参考サイト:城郭図鑑

(田中祥彦著『多摩丘陵の古城址』掲載の鳥瞰図)

 

(【左写真】跡地に建つ北郷神社。【右写真】神社付近の平場。削平はやや甘いか。)

 

(【左写真】腰曲輪のような地形がある。【右写真】背後の尾根。堀切が無いのは解せない。)

 

(【左写真】中腹にはかなり広い削平地がある。遺構かは不明。【右写真】城址遠望。)

(国土地理院発行の2万5千分1地形図

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